「準備」と「ふり返り」で、1on1の質はここまで変わる!──信頼を育み、対話の質を高めるための実践ステップと問いかけ集:第2回
- 原みどり
- 4月15日
- 読了時間: 7分
更新日:4月16日
「何を話せばいいか分からない」部下と、「どう接すればいいか分からない」上司。その距離を縮める鍵は、“信頼関係(ラポール)”と、“問いの余白”にありました。——その余白をつくるのが、「準備」と「ふり返り」の力です。
目次
信頼と成長を叶える:2025年度版 1on1ミーティング成功の秘訣 シリーズ 第2回
「準備」と「ふり返り」で、1on1の質はここまで変わる!
🟧 1on1ミーティングに臨むマネジャーの心構え
🟠 わたしの前日譚
🔶1on1ミーティング 準備のステップ
【有料エリア】1on1を成功させる伴走型実践ガイド
📘 ケーススタディ 第2回:「Z世代×リモートワーク」のふり返り
🧰【実践ツール】(PDFダウンロード)
💻💬 Ask Mr. Marple Q&Aコーナー
信頼と成長を叶える:2025年度版 1on1ミーティング成功の秘訣 シリーズ 第2回

「準備」と「ふり返り」で、1on1の質はここまで変わる!
「1on1って、なんだか形式的になっていないだろうか?」「忙しいし、準備する余裕がないまま本番を迎えてしまう」……そんな声を、この1年で何度も耳にしました。1on1は、ただ“会話する場”ではありません。互いの認識をすり合わせ、経験から学び、成長へとつなげていくための、かけがえのない時間です。第2回では、1on1の “質” を決める二大要素——「準備」と「ふり返り」にフォーカス。無料エリアでは、1on1に臨む前の心構えと準備ステップを、有料エリアでは、ふり返りの質を高める問いかけや実践例を詳しくご紹介していきます。
🟧 1on1ミーティングに臨むマネジャーの心構え
──「上司」ではなく、「信頼できる支援者」として向き合うために
1on1は、形だけの業務報告ではなく、信頼関係と成長を育てる大切な場。ここでは、日々の対話に込めたい「マネジャーとしての心構え」を10の視点からお伝えします。
①「時間を“与える”のではなく、“投資する”」1on1は単なる予定ではなく、チームの未来に向けた“投資”。信頼関係は、地道な対話の積み重ねでしか育ちません。
②「“正解を与える”より、“問いかける”」特にZ世代が求めているのは、共に考えてくれる存在。答えを急がず、「どう感じた?」と問いかける姿勢が鍵です。
③「雑談と信頼構築を混同しない」和やかさは大切。でも、「話しづらいことも言える」空気づくりが信頼の土台です。マネジャーのほうが一歩、心を開いてみましょう。
④「まず、自分の心の余裕を整える」部下を支えるには、自分自身のコンディション管理が先。余裕がないと、聴く姿勢は崩れやすいものです。
⑤「“対話の借金”は早めに返す」言いづらいことを放置すると、関係は静かに冷えていきます。違和感や誤解は、早めに言葉にしましょう。
⑥「進捗確認ではなく、価値観に触れる対話を」表面的な報告だけで終わらせず、「何を大切にしてる?」を引き出す。そこにこそ、モチベーションのヒントがあります。
⑦「会話の“回数”より、“意味”を重視する」予定を埋めることが目的になっていませんか?「この時間にしかできない対話」を意識して臨みましょう。
⑧「部下が話さないのは、問いの設計不足かも」部下の沈黙は「やる気のなさ」ではなく、テーマが曖昧なだけかもしれません。事前に問いを共有すると、対話が一気に深まります。
⑨「自分の“あり方”を映す鏡として活かす」1on1は、相手のための時間であり、マネジャー自身の省察の時間でもあります。沈黙への耐性、声のトーン、問い方──鏡として見つめ直す機会です。
⑩「うまくいかなくて当たり前。続ける覚悟が一番の力になる」毎回うまくいく1on1なんて、ありません。言葉が空回りしても、気まずくても、また仕切り直せばいい。信頼も、成長も、続ける覚悟の上にしか築けません。小手先のテクニックより、「聴く覚悟」がすべてです。
✍ まとめ:信頼は、1回の1on1では築けない。でも、1回の1on1で壊れることはある部下の本音を引き出すには、ツールやスキルだけでは不十分。マネジャーとしての「あり方」──つまり、どう向き合い、どう聴くかがすべてです。「何を話したか」よりも、「どんな空気をつくれたか」。その積み重ねが、部下の安心を育み、1on1の真価を引き出していきます。
🟠 わたしの前日譚
「こんな経験もありました」— 駆け出しマネジャーの悪戦苦闘
マネジャーに昇進したとき、私は「良いマネジャーになりたい」と願った。
今ふり返ってみると、目指していたのは “Good Manager” ではなく、“the Good Manager” つまり「私なりの良いマネジャー」だったのだと思う。
理想の上司もいれば、反面教師のような存在も。
私自身もまた、メンバーにとって「良いマネジャー」だったかどうかは、きっと是々非々だろう。
最もこたえたのは、習熟度が十分でないメンバーにエンパワメントした結果、重大なミスが報告されず、大事になりかけてしまったこと。信じて任せた相手から正直に報告してもらえなかった——その事実が、今でも記憶に残るほど。「信頼されていなかったのかもしれない」そう思うと、自分自身の「あり方」に深く向き合わざるを得なかった。
この経験を通じて、信頼関係の脆さ、人を通じて成果を出す難しさ、そしてエンパワメントの本当の難しさを痛感。
それ以来、迷いや不安を抱えるメンバーが自立できるその日まで、じっくり話を聴き続ける覚悟と粘り強さを持つことを、何より大切にしている。
🔶1on1ミーティング 準備のステップ

ステップ1:1on1の目的と価値を伝え、参加意欲を高める
✅ 1on1の開始もしくは再開を伝える
✅ チームミーティングなど全員が集まるとき、同時に伝える
ステップ2:適切な頻度とスケジュールを設定し、継続性を確保する
✅ 実施の頻度を決める
✅ 最適な頻度を判断するポイント
・メンバーの業務習熟度に合わせる
・メンバー全員の1ヶ月の対話の合計時間がほぼ均一になるのを目指す
・マネジャーの在職期間
・チームメンバーの人数:10人以上は隔週や1回の時間を減らすなど工夫
・チームメンバーの希望
・キャンセルは避ける。万が一、キャンセルの場合は即時リスケジュール
ステップ3:場所を決める
✅ 対面あるいはリモート
✅ 会議室など人目や雑音から離れた気が散らない場所
✅ 避けるべき場所は他のメンバーらが行き来するオフィス
ステップ4:メンバーの積極的な参加を促し、議論を深めるための準備をする
✅トピックの決定にメンバーを巻き込むのが最も好評であり、モチベーション向上や実行へと結びつきやすい
✅ マネジャーとメンバーの双方が、例えば、トピックのリストを作成し、先にメンバーのリストから始める
✅ マネジャーがおおまかな質問から決める(例:「今日は何について話したいですか?」)
✅ キャリアや自己開発といった長期のトピックを定期的に組み込む(毎回5~10分 or 3~4回に1回全集中)
📌 ここから先は、有料エリアでお読みいただけます
1on1の「準備」と「心構え」が整うことで、信頼の土台は生まれます。でも、それだけで“質の高い1on1”にはなりません。本当に重要なのは、その“後”の部分。どれだけ丁寧に「ふり返り」ができているか。
今回の有料エリアでは、Z世代メンバーとの1on1がどう変わったのか——「前回のふり返り」がうまくいかなかった1on1が、何をきっかけに好転していったのかを、ケーススタディとしてご紹介します。
👥 このケースは、全6回連続シリーズの第2話。
1on1のプロセスを“継続的に、同じマネジャーと同じメンバーで追う”試みとして構成しています。
連ドラ感覚で、次回以降も楽しみにしていただけたら嬉しいです。
さらに今回は、ケースで描いた実践をすぐに再現できるように:
📄 準備ステップ図の図解+解説(PDF)
📄 1on1事前ふり返りシート(マネジャー&メンバー用・PDF)
📄 振り返りを深める問いかけリスト
📄 心理的安全性を高める問いかけ集+NGワードリスト
もすべてダウンロードしてご活用いただけます。
さらに今回は、読者のリアルな悩みに答える新コーナー
【Ask Mr. Marple】Q&Aコーナーもスタート!
1on1で「本音を引き出せない」と悩むマネジャーの声に、ミスターマープルが具体的なアドバイスをお届けします。
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